「世界を変える真の男らしさ」

A.貯金箱

 「お父ちゃんはかわいそうだから何か買ってあげて」 小学3年生の正義君が、童話集を買うんだと言って、一年かけてためた貯金箱を出して母親にいいました。以前に「400円たまった」と喜んでいたのに、200円くらいしか残っていません。みんな元気のない父親にそっとあめ玉やキャラメルを買っては枕元に置いていたのです。実は父親はちゃかすつもりで、に入院するとうそを言い、それを聞いた正義君は一生懸命父親のために祈っていました。父親は、思わず「イエス様!」と言ってその場にひれ伏しました。そして、今までの不信仰を悔い改め、そっと顔をあげると何だか明るい朗らかな気持ちになっていました。息子の祈りによって、お父親は信仰に立ち帰ることができました。(国鉄福音同志会編『ましみず』より編集)
 この父親は、親としてあるべき姿を見失っていました。現代社会は、男性たちがアイデンティティー(自己認識)の危機にあります。しかし聖書には、神さまが示された男性の模範があり、人の偉大さは、5つの性質、同情心・一貫性・協力・献身・勇気によって決められる、と学ぶことができます。パウロは、この5つの性質を持つ人の模範としてテモテとエパフロディトの二人を挙げています。

B. 聖書より

フィリピ2:22 「テモテが確かな人物であることはあなたがたが認めるところであり、息子が父に仕えるように、彼はわたしと共に福音に仕えました。」
 「人がなんと言おうと、他の人たちが何をしようと、私は正しいことをする」と言って、イエス様のために立ちあがる「確かな人物」を神さまは、求めておられます。イエス様にお従いしていくことを最優先させれば、用意していただいている祝福が受け取れます。また、私たちが弱いときも、イエス様は御力をもって勝利に導いてくださいます。   テモテは、プレッシャーに負けることはなく、イエス様に従うことに命を懸けるほどの確信を持っていました。歴史を見ると、世界に大きな影響を与えた人たちは、決して最も賢い人でもなければ、最高の教育を受けた人でもありません。富豪でもありません。世界を変える人たちは、善のために、深い確信、信念を持っていた人たちです。

C.真の男らしさ

 日本で翻訳されているエルヴィス・プレスリーの本は、スキャンダラスなものが多く、一般にエルヴィスのイメージは低いようです。それを知ったエルヴィスの叔母で牧師のナッシュ夫人は、「とっても悲しいことだけど、偽りを綴った本を書いた彼らが、いつの日か自分たちの間違いに気づき、改心するように、ただ祈っているんです」と語っています。エルヴィスが麻薬の常用者だったという噂がありますが、心臓が弱く、糖尿病と高血圧もあり、処方された薬は飲んでいましたが、決して不法な麻薬を飲んではいませんでした。
 「エルヴィスは聖句を暗記していました。そしてキリストによる生まれ変わり(回心)、信仰によって新しい人生経験をすることの必要性を信じていました。さらに彼は聖書の言葉を実生活に当てはめ、実行しなければならないと言っていました。彼は本当に強い信仰を持っていたました」と、叔母(父の妹ナッシュ・プレスリー、女性牧師)は証言しています。
 プレスリー一家にとって一週間に一度、近くの教会に出席するのが何よりの楽しみでした。彼は9歳で洗礼を受けています。彼は酒、たばこもやらず、礼儀正しい模範青年で、両親を大切にしていました。そして、人に分け与えること、愛すること、同情、配慮、赦すことなどをとても大切にし、持たぬ人々に富を惜しみなく分け与えていました。エルヴィスは1971年1月、U.S.ジェイシーズ(アメリカ青年商工会議所)より、この年のアメリカを代表する10人の最も優れた青年の一人に選ばれました。これは彼の音楽に関するものではなく、彼個人の人道的な慈善活動に対する名誉ある賞でした。1977年8月16日、プレスリーは心臓発作で亡くなりました(42歳)。
 プレスリーは、白人歌手として初めて、黒人をステージメンバーに起用しており、人種差別とも静かに戦っていました。また、世俗的なラスベガスにおいて、一番好きだったゴスペル『輝く日を仰ぐ時』を歌い、成功を収めています。

D.結び

 人生は仕事とレクリエーションのためだけにあるのではありません。神さまは、私たちが御心のために、すなわち人の魂の救いのために、影響を与えるような人となることを求めておられます。
 イエス様を信頼して、真の男らしさ、人間らしさを持つ者となりましょう。
御翼2010年7月号その3 父の日礼拝より


  
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